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2006/04/04//Tue.
【眠れる美女】 *川端康成
ゆたかな頬のふくらみのわりに手の指は細い長さで、そのような脚の伸びまで思わせた。老人はあしのうらで娘の脚をさぐってみた。
娘の左手の指もすこしひらいて楽におかれていた。その娘の手の甲に江口老人は片頬をのせた。娘はその重みに肩まで動かせたが、手を引き抜く力はなかった。そのまま老人はしばらくじっとしていた。

娘は両方の腕を出したために肩もやや持ち上がって、腕の付け根に若い圓(まる)みがふくらんでいた。江口は毛布を引きあげてやりながら、その圓みをやわらかく手のひらに入れた。

唇を手の甲から腕へ映していった。娘の肩の匂い、うなじの匂いが誘った。娘の肩や背の下まで縮まったが、すぐにゆるんで老人に吸いつくはだだった。

この家に来て侮辱や屈辱を受けた老人どもの復習を、江口は今、この眠らされている女奴隷の上に行うのだ。二度とこの家に来られないのはわかっている。

むしろ娘の目をさまさせるために江口はあらくあつかった。ところがしかし、たちまち、江口は明らかなきむすめのしるしにさえぎられた。

「あっ。」とさけんではなれた。
息がみだれ動悸が高まった。とっさにやめたことよりも、おどろきの方が大きいようだった。老人は目をつぶって自分をしずめた。

(略)
細くて美しくて長い、横たわった首は、その下に腕をさしいれて巻いてひきよせないではいられない。首がやわらかく動くにつれてあまい匂いが動いた。それが後ろの黒い娘の野生のきつい匂いとまざりあう。

老人は白い娘に密着した。娘のいきは早く短くなった。しかし、目覚める気遣いはない。江口はしばらくそのままでいた。

「ゆるしてもらうかな。自分の一生の最後の女として・・・・・。」うしろの黒い娘があおるようだ。老人の手はのびてさぐった。そこも娘のちぶさと同じであった。



ノーベル文学賞受賞者の川端康成氏は、官能的とも言われた。
あきらかな描写はない作品の中で、これはかなり思い切ったなぁと思われる。

美術が視覚にうったえるのに対して、文学はその表現の理解が読み手の想像力や経験に委ねるところが多い。そのぶん、物質的なものより構築しやすいということもある。

これは、睡眠薬で眠った若い女性と添い寝するだけ・・といった秘密の宿がシチュエーションとなっている。そこで、江口老人は数回夜を過ごすのだが・・・

「男は女にとって、最初の男でありたがる、女は男にとって最後の女でありたがる」というが、世の中うまくバランスがとれているのだろうか?(苦笑)
こういう形で、最後の女にはなりたくないけどなあ。


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